「30歳までに1000万円貯めるのが目標」と言う宗像さん。実家にいて家賃などの生活費が免除されている人は、30歳までに普通これくらい貯まるはず。とはいえ、よく頑張りました。パチパチ。
さて、宗像さんは証券会社では手堅い公社債投信とMMFを利用しているけど、もう少しリターンを期待できる商品にチャレンジしたいとのこと。リスクも覚悟してるそうだから、本格的に株に挑戦する前にミニ株を選んだのは、なかなか賢い選択よ。
「ミニ株」と普通の株との違い、それはズバリ言って投資額の低さ。普通の株が100株とか1000株とかまとまった株数(単位株)でしか売買できないのに対し、ミニ株はその10分の1で売買できちゃうの。
たとえばソニー。9/18現在で一株1万1750円。単位株数は100株だから、普通に買ったら117万5000円! それがミニ株なら、10分の1の10株11万7500円で購入できるというわけ。実際は10株から90株まで10株単位で売買できるの。これならほしい銘柄でも、気軽に買うことができるでしょ? たとえば予算が20万円だとしたら、複数の銘柄を買うことができて、リスクを分散することができるの。
気になる配当金だけど、持ち株数に応じて受け取れます。たとえば1株100円の配当金なら、10株持っていれば1000円ね。もちろん値下がりして配当金がない場合もあるわよ。
では次にデメリット。まず証券会社によってはミニ株を扱っていないところがあるの。扱っていても、証券会社によって500銘柄もなかったり2000銘柄以上もあったり。また扱っている銘柄も異なるから、買いたい株がないってこともあるわけ。それに売買単位が1株単位のものは買えないの。ヤフーやNTTドコモ、フジテレビジョン、いいなー、買いたいなーと思っても、これらは1株単位。10分の1に分割できないからミニ株では扱っていないのね。
加えてデメリット。単位株はこの銘柄をいくらだったら買いますっていう「指し値注文」ができるんだけど、ミニ株の場合、それができない。この銘柄がほしいって注文を出すと、翌営業日の寄り付き(その日の最初の立ち合い)の値段で買うことになるわけ。たとえば今日、高値だったから「買い」を入れたのに、翌日急に下がった……ということもあるのね。だからその日の締め切り時間ギリギリに注文を出すようにしましょう。売る場合も同じよ。
最後にこれを忘れちゃいけない! それは手数料。証券会社によって異なるけど、口座管理料や利用料がかかるところがあるのに加え、売買金額によって手数料がかかるの。昨年10月から手数料が完全自由化になったんだけど、ミニ株の場合、取引が少額なほど手数料が割高になるようになったのね。これも窓口、ネットと売買する場所によって金額が異なることもあるから、とにかく事前によーく調べてみることが必要ね。
宗像さんの場合、MMFからまず20万円くらいで始めてみてはどうかしら? リスクのある金融商品は、あくまで余裕資金でやるのが鉄則。慣れてきたら投資額を増やして、いずれは単位株にチャレンジしてみるのもいいかもよ。
●ファイナンシャル・プランナー 瀬戸貴和子
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