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2004年(平成16年) 6月12日(土)《1520号》

ミニ株の投資相談に、若い女性らが気軽に訪れている。(大和証券茅ケ崎支店)。
 

ミニ株ブーム
貯蓄より投資へ―

 手軽に株式投資ができるミニ株(株式ミニ投資)がブームだ。低金利時代を反映してか、株式に対する関心が強まり、パソコンや携帯電話で簡単に売買できるという手軽さが受けて、20〜30歳代の若い女性や主婦の間で殊に盛んだ。これまでの富裕層ばかりでなく、庶民にまで株式投資の裾野が広がりつつある。
 
 
若い女性の間で盛ん
ネット売買がけん引

 個人投資家が株式投資をしやすいよう、約10年ほど前に導入されたミニ株。大和証券が先駆者だ。当初は通常の株取引に比べなじみが薄く、一般になかなか浸透していかなかった。
  しかし、インターネットの普及でオンライン上で株売買が可能になったことや、証券会社に口座を開くときの口座管理料の自由化によって、若い女性を中心に瞬く間に広がった。
  低金利の時代、銀行での貯蓄より投資へという意識の変化が大きな潮流となり、ミニ株投資はこれまでにない動きをみせている。男性7に対し女性3の割合でしかなかった株式投資はミニ株の出現で女性投資家が男性投資家を上回る勢いだ。とくにOLや主婦層に人気が高く、投資は盛んだ。性別に関係なく、若年層での投資も目立ってきている。若い夫婦が証券会社の店頭で相談するケースも増えた。
  通常の株取引では株価の高い銘柄で2000〜3000円、1000株なら200〜300万円の資金が必要だが、ミニ株は10分の1で買うことができる。このため少額の資金でも投資が可能だ。1単元が1000株の銘柄をミニ株で利用すれば100株単元から購入できるほか、100株単元の銘柄でも10株単元で買い付けができる。
  あるメーカーの値段が1000円、1単元が1000株では1000円×1000株で100万円の資金が必要だが、ミニ株なら10分の1の10万円で買い付け可能だ。
  通常の株取引では1銘柄しか買えないところをミニ株なら2〜3銘柄に分散して投資することも可能だ。投資資金を1銘柄に集中させた場合、株価が下落した時に大きな損失を被ることがある。
  このリスクを低減させるため複数の銘柄に投資金額を分散させ、損失を回避させる。輸出関連株と内需関連株、景気敏感株と薬品株など、性格の異なる銘柄を組み合わせ、各銘柄の投資金額を同額にする、といった事例も良い方法の1つだ。
  持っている株数に応じて配当金も受け取ることができる。銀行の預金利子に比べて、配当利回りがいいものもあり、これに着目して株を購入する人は増えている。銀行利子の低さから株投資への意欲は強まっており、ボーナスなど余裕資金で投資する人は多くなっている。
  なおミニ株は、注文した日の翌営業日が売買執行という取り決めになっている。金曜日に注文すると、翌週月曜日が約定値段だ。自分で買値、売値を決められる指値で売買注文できないのも制約要因。株価がいくらで始まるのか分からない不確定な状態で翌朝、買い注文を出すため、「買値に多少ブレが生じる」と大和証券茅ケ崎支店、冨田晴彦投資サービス課次長。
  株主優待の権利があっても、通常の単元株のようには優待が受けられない。旅行優待で旅行券を細分化し、現金化されたものを受け取るような仕組みだ。全ての銘柄が対象になっておらず、新興市場の銘柄が対象銘柄に入ってない証券会社も。証券会社によって銘柄と銘柄数は異なり、ミニ株そのものを取り扱わないところもある。
 
 
主婦層 お小遣いで投資
欠かせない情報、セミナーに女性増え

大和証券が取り扱う銘柄は2400。ほとんどの銘柄を網羅している。インターネットで独自の情報を流すが、一般向けの情報と、同社に口座開設した投資家への情報は分けている。初めて株を買う人には「投資がわかる」ガイドブックを提供するなど、株の知識を積極的に広めている。
  同茅ケ崎支店の冨田投資サービス課次長は「(証券会社は)いろんな情報を提供しますが、株を買うにあたってはお客さまの自己責任です。株式投資の基本的な仕組み、見方についても勉強が必要です。(ミニ株は)投資額が小さく気軽に買えますが、投資する前には、情報を入手した上で投資された方がいいと思います」とアドバイス。
  ミニ株の取引件数は伸びているという。「通常の取引相場が上昇基調になれば、ミニ株も連動して伸びます。単元株と同じなので株価の値上がり率も同じです。100株で買うのか、10分の1の10株で買うかの違いはありますが、本質的には通常の株式と何ら変わりはありません」
「確かに100万円で買った銘柄が2割株価が上がれば利益は20万円、10万円で買えば2万円の利益です。(ミニ株は)投資額が少ないため利益も小さいですが、上昇率は単元株と全く同じです。ミニ株も通常の株取引と同じ相場です。株価が上下することは多々あります。株価の動向によっては(投資額が)半分になったり、倍になったりします。投資額は小さくても通常の株と同じですので、株価下落で元本割れするケースはあります」。株式は値動きのある商品であるため、元本は保証されていない。
  しかし、同茅ケ崎支店主催のセミナーには女性参加が増えており、男女比率も6対4で男性に迫る勢いだという。「(ミニ株に投資するのは)主婦層が多くなっています。お小遣いで投資してみようか、という形の投資が多いようです」と冨田次長の表情は明るい。
 
 
自己判断しやすくなった

 野村證券平塚支店、大井手力資産管理課長も「インターネットで取引される女性が増えています。パソコン、携帯電話からの売買注文は、店頭や電話での申し込みより手数料が安いので、女性を中心にインターネットでの注文が増えています」
  野村證券が独自で提供する『野村ホームトレード』への加入が右肩上がりに増えている。ホームトレードでは、株式や市況などの情報をリアルタイムに得られ、投資に欠かせない個別銘柄の詳細な情報が入手できる。自分の資産状況や残高が画面上で確認できるほか、銘柄をあらかじめ登録しておけば、株価の変動をパソコンや携帯電話で簡単に確認でき、購入したい銘柄や売りたい銘柄を注文できる。
  株式ミニ投資ですると、買い付けや売却時の売買手数料は、ホームトレードによる注文だと約定代金の1・05%(税込)だが、それ以外での注文は同代金の2・10%(同)と約2倍の手数料がかかる。
  インターネットの普及でいつでもどこでも株式投資ができるという手軽さが、若い女性の参加を促した。「女性投資家は今後も増えるだろう」(大井手資産管理課長)と予測する。
  これまでの株式情報は各証券会社から発信された限られたものでしかなかったが、現在は放射状の情報伝達によって誰でも簡単に得られる。自己の判断によって売買がしやすくなったことがブームのきっかけになったようだ。
「情報を伝えたとき、投資家はどう判断されるのか。株式ミニ投資をする方も、プロの機関投資家でも情報の価値は同じです。機関投資家だからいい情報を持っているとは限らないのです」と大井手資産管理課長。
「銘柄の推薦はできません。自分の意向に合った銘柄を買うのがいいと思います。銘柄を選ぶポイントは、いろいろな情報を得ること。これと思った銘柄を買うのが一番ですが、アテネオリッピック開催で液晶テレビやDVDの販売が伸びると予測される銘柄に注目するのもいいでしょう。こういう発想で投資すれば、株はおもしろいです」
  同社平塚支店では株式セミナーを毎週開催している。「株式入門教室」「株式投資セミナー」などを通じて生きた情報が得られるとあって、大勢の投資家たちが参加する。東海大学など各大学とタイアップし、株式投資についての授業を行うなど、証券普及に力を入れている。
  同支店の松本享士総務課長は「アメリカは株式投資の金融資産の割合が高く、金融資産に占める約6割が投資ですが、日本では預金に占める割合が多く約6割です。証券市場にお金を流入するために一般の人にも広く啓蒙するという意味でセミナーを開催したり、大学へ講師を派遣させています」
  大井手資産管理課長は言う。「企業配当について政府は平成20年3月までの時限立法として10%に下げ、売買利益の税率も平成19年末まで10%にしました。株式投資をしやすくするためです。これに対し銀行の預金は未だ20%が税金、2割取られています。今、日本全体で貯蓄から投資へ、と流れが加速して、証券市場にお金がどんどん流入しています。日本人の金融資産は1400兆円といわれていますが、このお金を証券市場に流入させれば企業は活性化し、国の税収は増えます」

 

 

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