儲かる投資家になる基本 第一章 その7 【一般が置かれている立場を知ること】 日本株の場合には、その場のテーマを証券会社が主導になって買い銘柄を作る という展開が基本となっています。そのため、殆どの一般顧客は証券会社や証券 マンが勧める銘柄を買うという展開であり、実際には投信や機関投資家、ディ ラーや営業体が商売にすると殆どの銘柄は終ってしまうのに、個人は最初設定し た目標に行くまでは売らないというようなタイプが多いため、プロに利用される だけされて、そしていつも居残りとなり、利食いできるわけもない株を持たさ れ、その上で、3カ月もすると信用残の重荷と、さらに一般がそろそろ飽きて、 次のテーマに乗り移るため相場は下げ、そして株価が半値にもなるようなころに は追証が発生して慌てて切る、というような動きをしている人が多くいるのです。 損が出来るだけ出ない、という投資は一般にとっては非常にむずかしく、さら に証券会社の裏の構造を知るというのは一般では調べられないような構造となっ ているため、実態として人気株の半分以上が実際にはプロのディラーが演出して その場で証券会社が運営するために必要不可欠な商いになっていること、手口を 調べるといろいろなことが分かるのですが、まずプロでない限り自由に手口調査 は出来ないため、一般はいつまでたってもプロの利食いのために動き、その上で プロは手数料はゼロですが、一般は買っても、売っても手数料を払い、得しても 損しても払わされるという動きになるわけです。したがって、儲かる投資家にな るためにはこの基本的なプロの展開をしらなければ先に進めないということにな るわけです。 【売り上手、逃げ上手が儲かる人の条件】 基本的には一般の投資家は常に儲けようと考えていますが、損は少しも考えて ない人がいます。まずどんな天才がやっても損することがあるのが株式ですの で、実際には儲けよりも損をいかに少なく、いかに早く出すか、これがコツであ るのに、一般の場合には損を出さない。損切りが極端に下手という人が多すぎる のです。たとえば当日ならば10円の損ですんだのに、売り指値を欲張ったため 翌日に売ろうとしたら30円安になった、これも一般にありがちな行動です。売 りは即刻、買いは2日待て、と書きましたが、まさに売りは即刻なのです。売り は待ったら損する場合が多いのです。そのため、駄目と分かったとき、また上げ が止まったとみた時は、即刻、その場の売れる株価で売るのです。その売りの方 法もプロ的な人とド素人的な人では大きな差が出ますが、昨年からのネットト レードのスタートにより、プロもアマも注文の早さが同時となり、10秒もする と商い成立という段取りが出来るようになったため、売りの場合には殆どが個人 のテクニックとなるわけです。 たとえば、時価が198円の株があったとします。一般は板が分かりません。 まず証券会社の株価詮索で、その時の株価をまず知ります。その時、198円の 株価の銘柄は、上値にどれほどの売りがあり、下値にどれほどの買いがあるか一 般には分かりません。そのため、かなり大胆な売りをする必要があります。その 場合には売りは即刻の例のように、198円で買いがあれば、198円で売れま すが、198円の買いがわずかな場合には、次の買い指値まで売れません。極端 にいえば1万株、198円から成行き売りにして、185円まで1万株の買い物 しかなければ、株価は一気に185円になってしまうのです。そのため、一般の 方は、198円の場合であれば、売りと判断したら、まず195円で指値をすぐ 出すという方法をとることです。通常は90円、95円という5円刻みに買いが 厚くなっている場合が多いからです。逆に買いの場合には198円のときには 196円で買い指値を出すか、どうしても買いたい場合には199円もしくは 200円で出します。売りが下手な人の場合には198円という時価であれば、 すぐに200円という節目で指値をするような人がいますが、これは一般の人も 同じであり、節目には多くの売りが集まるため、本当に売りたい、逃げたい場合 には商いが出来る株は成行き、商いが出来ない場合には3円から5円下の株価ま で下げて指値するのです。 人によっては、売りはなんでも成行きと教える人もいますが、今は注文の速度 がはやく出来るシステムになっているため、時価より3円下の指値をして売る。 あとは銘柄によっても違いますが、極端に商いが少ない銘柄は欲張らずに売れる と思われる範囲でとにかくその場の注文で一発で売りきれるようにすることが大 切です。素人であればあるほど、1円2円の指値にこだわったり、5円の損しか 出したくないため、実際に売り損ない30円の損になったり、というケースが多 くあります。どれも自分の責任ですから、どん臭さも自業自得であり、勉強のう ちですが、欲張りは損出しとなり、とにかく1円2円はこだわらず売れるものは すぐに売る。まさに終わりは脱兎のごとく、即刻逃げるという展開にしなけばな らないのです。このような展開が出来ない人は、やはり株には向かない。特に短 期売買で時刻をあらそうような銘柄はやらないことが大切です。 【銘柄の信憑性は伝えるところの信憑性】 たとえば、家を建てる場合でも、信頼のおける工務店に頼めば、やはりかなり の確率で信頼のある物件を作ってくれます。評判などを聞き、さらにアフター ケァーなどについても地元で評判がよい、建設件数の多いところを選ぶとよいと 言われます。つまり、家を建てる業者の信用です。また、特に家電品などの場合 にもメーカーに信用がある場合には故障が起れば企業がその信用力を持って交換 なり、修理なりするわけです。これは、株式の世界でも同じです。いい加減な情 報ばかり流しているような法人と、また金融ゴロが集まっているようなところか らの情報や、1本、1本を吟味して当り情報だけを選択してくるような人の情報 とはやはり情報価値が違うのです。したがって、情報は多くの場合に、その銘柄 の価値を見分けると見られているでしょうが、プロの世界では情報を流してくれ るところの質が問われることになるのです。そのため、一般の人も情報を入手す るところの質をよく確かめる必要があります。 情報はネット世界でも氾濫していますが、ご承知のようにまともに使えるもの は全体の2割もないと思われます。日経新聞や、一般紙、さらにブルムバーグ、 共同通信、ロイターなど情報ニュースを配信している会社は多くありますが、そ れらの会社が情報を流すときには、殆どのプロが知るときですので、それを事前 に知ることはまず不可能です。特に株価に影響力がある内容の場合には殆どがイ ンサイダー取引になってしまうケースがあります。一番よいのは、友達に日経新 聞の友人を持てばよい、といっても、実際には社内でも株価に影響がある記事の 場合にはかなり神経を使ってるケースが多いといいます。日経でも社員は数千名 という規模であり、記事が出る前に買うという行動は通常はとれないからです。 それでは、実際に一般の方が良い情報を知り、儲かるためにはどうすればよい か、それは、はっきり半分は投資テクニックにあり、つまり最新情報や、特ダネ 情報をプロよりも早く入手することは絶対に困難と諦め、出発したばかりの銘柄 の短期の上昇を想像するということに限られるのです。 つまり、出来るだけ初動で食い付き、そして、集中人気となり、誰でも知って いる状態が起ったときには利食いするのです。そして、もう1つの戦略は、だれ でも分かる、人気株を利用して利益を獲得するという手法を覚えるということで す。あまりに具体的に情報入手の展開と、さらに具体的に儲け方を書くと、この 通信は2割はプロの人が見ている模様ですので、書けない部分もありますが、プ ロからの情報をアマの人も自分の尺度の中で噛み砕き利用する方法はあります。 それは銘柄選択も人気株ですので簡単であり、しかも、上げている株の確率が一 番高いのですから、当初の材料と、そして手口と、さらにそのような状況把握、 判断をいち早くするという訓練をするのが一番なのです。そのため、人よりも早 く知るというより、多少、早く動き出した銘柄を知る程度で十分儲けられるよう になるということです。材料と、手口と情報を提示された場合にはまだまだ初動 で仕込みしておけば、何度か利食いを重ねることが出来る、基本的には筋書きが 見えるようになるまで、訓練をする、をしてプロ筋の感性を知れるようになるの が理想です。来週は、さらに突っ込んだ話しをお伝えします。