先週は、東証外国株投資の一般的なリスクについてお話しました。
最終回の今日は、東証外国株市場の魅力についてお話してみたいと思います。
東証外国株市場の魅力は、1つ目には、売買の仕組みが日本株とほとんど同じで、言わば「外国株取引の初心者向け」の市場である点です。売買の仕組みについては、既に第4回でお話しましたが、東証外国株市場は、投資家の皆さんが円建ての取引を行なえる点(円建て取引であるということは為替手数料が発生しません。)、リアルタイムで株価を見られる点、注文の出し方が日本株と同様である点など、売買に関する仕組みが日本株とほとんど同じであるため、外国株投資に興味を持ちながらも"あと一歩"が踏み出せなかった投資家にとっては、これまでの興味を実現化するための最適な市場であるとも言えるのではないでしょうか。
2つ目に、年間配当金を株価で除した数値の"配当利回り"についてですが、2002年の数値が、東証外国株の場合、2.85%(株価は2002年末の数値。)、東証市場第一部の場合、1.42%(株価は年間単純平均値。)で、両者を算出する株価の性格が異なっているため、単純比較はできませんが、東証外国株の配当利回りが相当に高いことも、東証外国株市場の魅力の1つであると言えます。(配当利回りの出所は、いずれも東証調べ。)
3つ目には、東証上場外国会社のほとんどが世界的な優良企業で、日頃、各種新聞等のメディアでも取り上げられていることが多く、日本でも非常に知名度の高い会社であるということです。第1回において上場会社名を列挙しましたが、皆さんのご存知の会社が多く含まれていたのではないでしょうか。また、東証外国株市場の時価総額が東証市場第一部の66%(本年7月末現在)に達しているという数字もご紹介しましたが、その数字が示すように、東証上場外国株は超大型銘柄であると言うこともできます。
今や、商品やサービスにおいて、東証上場外国会社によるものも含め、外国製が当たり前のように溢れている時代です。外国株と聞くと、なんだか"難しそう"とか、"情報が少ない"との理由で、皆さんの中には、ついつい敬遠してきたという方も多いかもしれません。しかし、外国株という存在を、日頃、自分の
身近にある商品等を提供している会社の株式と置き換えて考えてみれば、外国株に対する見方はかなり変わってくるのではないでしょうか。
意外と身近な存在である外国株の投資に、初めの一歩を踏み出す場として、東証外国株市場を活用してみては如何でしょうか。
全12回にわたり、"3分で分かる!外国株入門"をご愛読頂きまして誠に有難うございました。
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